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十勝からはじまる食・農の魅力 ~ 自然の恵みと作り手さんが奏でるもの 〜|廣田農園

ここ十勝の芽室町に移住し、新規就農された「廣田農園」の一公さん、由美さん夫妻。

安全で美味しい野菜を生産しながら、日々の活動でその魅力を伝えていらっしゃいます。

就農した年の11月から、由美さんは地方で働くことの魅力を伝える「エリア型ローカルコーディネーター」の十勝・帯広の担当者として、地元の仕事情報の収集なども行っているなど、精力的に活動されています。

食を通じて農業の、そして十勝・帯広の魅力を発信している廣田さん。

その姿に学ぶところ、感じるところがとても多く、自分の人生観が変わるきっかけになりそうです。

今回は、そんな廣田夫妻について、そして廣田農園についてご紹介します。

廣田夫妻が新規就農した理由

札幌生まれの由美さんは、道教育大学で自然科学(生物、古生物)を学びながら教員免許を取得。
卒業後は営業事務、システムエンジニア、そして小学校の教員など、色々な職業を経験されました。

そんなときに発生したあの大震災。

これを機に生活全般を見つめ直したそうです。

十勝の廣田農園

その際に気づいたのが、食と農の大切さ。

「新たな活動を」と考えていた時期とも重なり、その想いが今まで以上に強くなったと語っています。

結婚して以降も共働きだった由美さんでしたが、教師を辞めたことでできた時間で、食と農について、人とのご縁や情報を集めはじめました。

様々な知識を得るために就農セミナー等にも参加するなど、とても勉強家でもあります。

そんな時、一公さんの転勤が決まり、十勝でのはじめての生活が始まります。

これが廣田夫妻を人生の転換期へと導くきっかけになりました。

当初、就農するという意思がなかった一公さん。

由美さんの熱意に打たれ、ふたりで新たな道(就農)を歩んでいく選択をしました。

これまでふたりで多くのことを語り合い、考えや想いを膨らませていったことでしょう。

就農という道を選んだ夫妻の今とこれからについて、色々お話しを伺いました。

農業への想い

Q)農業生産者を目指そうとしたきっかけは何ですか?

十勝の廣田農園

<ゆるキャラ兼広報担当のぴよ太くん>

「震災を機に、これまで当たり前だと思っていたことに疑問を感じるようになりました。
同時に、自分が社会のあらゆる面で受け身であると感じるようにもなり、できるだけ依存せず、自分にできることを増やしたいと思うようになりましたね。農業は仕事を自分で作り、食も自分で作ることができます。ここに大きな魅力を感じました」

あの震災は多くの人に恐怖と悲しみを与えましたが、同時に自分自身と向き合うきっかけになった人も多かったのではないでしょうか。廣田さんもその一人のようです。

十勝芽室の魅力とは

Q)この十勝芽室を選んだのは?

「転勤で帯広に来て、芽室町を訪れたときに、雰囲気がとても良いと感じていたことと、農地を貸していただけそうなお話があったのが、この場所を選んだ理由です。2016年には芽室町東芽室に50aの畑を借りて、新規就農『廣田農園』を始めました」

広い大地と遠景に見える山々、そして一面の澄んだ青い空。

こんな風景を見ると、言葉はいらないですね。

視覚だけでこの場所の魅力が伝わってきます。

きっと廣田さんの想い、そしてこの風景までもが、美味しい野菜生産につながっているのですね。

Q)どんなものを育てていらっしゃいますか?

十勝の廣田農園

「レタス・ケール・空芯菜(ようさい)・モロヘイヤ・大根・ニンジン・白菜・枝豆・トマト・ナスなどです。少量多品目野菜を生産しています」

十勝の恵みがたくさん詰まった色とりどりの野菜たち。

生産者が生育に費やした日々の時間が、野菜の表情にもあらわれているようです。

食を通じて生産者とつながりあえることに感謝したいですね。

Q)十勝に住んでみて感じたことは?

十勝の廣田農園

「こんなに暮らしやすい地域があるとは知らなかったので、多くの人に知らせたいと思いました。程よい人口、のんびりとした時間感覚。どこへ行っても混雑せず、ゆったりと過ごすことができる、まさにストレスフリーの地であると思います。

また、農産物のお裾分けの量、頻度がとても多いことや、短期であれ、農業バイトの数が多いことなどにも感動しました。食の宝庫であり、第一次産業の農業が地域の物質面・精神面での豊かさを支えているんだなと実感しますね」

筆者も同感です。一度この地域に足を運ぶと、不思議と気持ちが穏やかになります。

近代社会に流れる慌ただしい時間と、雑踏の中の生活から離れたこの場所で生活していると、心に潤いが戻ってくるような。

これは写真や情報だけではなかなか伝わらないものです。

一度でいいからこの大地を歩いてみてください。きっと自然豊かな極上のゆとりと潤いを感じ、十勝という場所に魅了されるはずです。

そのきっかけを作ることも、ローカルワーカーとしての由美さんの活動なのですね。

農業を通じて思うこと・伝えたいこと

Q)農業を通じてあらためて感じたことや大変なことは?

十勝の廣田農園

『何かを育てる』『お世話をする』ということのやりがいと大変さですね。うちで育てている作物のほとんどは、同じ時期に生長ピークを迎えるので、夏場は寝る間を確保するのが大変。とはいえ、やり方次第だと思うので、作業方法を常に見直し、改善していきたいと思っています」

色々お聞きして、その大変さを頭では理解できても、『作物を育て上げる』ということの本当の大変さは、自らが体験しないと感じられないものかもしれません。

今年は農業を体験して、今回のお聞きしたきことを自らの肌で感じてみたいと思いました。

そして農業というものについて伝えていけたらいいなって思います。

Q)農業を通じてこれからやっていきたいことはなんですか?

十勝の廣田農園

「食べ物のこと。土のこと。虫のこと。それらの大切さを伝えたいですね。

そしてもうひとつ。

やりたいことを仕事にして楽しく生きることができること』。これをたくさんの人たちに伝えていきたいと思っています」

自然そのものに触れ、恵みをいただくということの大切さをあらためて感じるとともに、日々当たり前のように口にしている作物を、もっと生産者の想いを感じながら食していきたいと思いました。

そして、「やりたいことを仕事にして楽しく生きることができることを伝えたい」という、心に響くフレーズ。

本当にこの言葉、ステキです。自分の今の仕事にもそう思えるように、考えることって大事だなって思いました。

自然の恵み皆さんへを届けたい

Q)廣田農園さんの自慢の野菜の特徴と購入できる場所を教えてください。

十勝の廣田農園

「廣田農園の野菜は『自分が安心して食べられる野菜』を目指し、農薬と化学肥料を投入せず、肥料も最小限にとどめるようにしています。なので、アクが少なく、身がしまっているのが特徴です。どれも美味しいとの声を頂いていますが、昨年、特に好評だったのは枝豆と空芯菜、モロヘイヤ、ケールです。

購入できるお店は、帯広のナチュラルココ本店さんと、芽室の愛菜屋、札幌では月1回のAGTマルシェ等です。今年からインターネットやSNSを利用した通信販売にも力を入れていきます」

廣田さんいわく、生産された野菜は『無農薬で身がしまっている』とのこと。とても気になりますね。ぜひ一度購入して素材そのものを味わってみたくなります。

そして十勝の野菜を道央圏(札幌・石狩・空知など)でも購入できるのは嬉しいですね。これからさらに通信販売も展開されるようなので、どの地域でも廣田農園の野菜を味わえるようになる日は遠くなさそうです。

廣田農園の野菜たちが、「食と農の景勝地」産として、全国に十勝の魅力を発信してくれることでしょう。

Q)農園の見学は可能ですか?

十勝の廣田農園

「繁忙期には対応できないこともあるかもしれませんが、事前にご連絡いただけたら、できるだけ対応したいと思っています」

実際に生産されている畑が見られることは、消費者にとっても就農を考えている人にとっても嬉しいですね。子供達にも是非見てほしいな。

実際に廣田農園さんへ足を運んで、色々なことを感じてみたいですね。

私たちの夢

Q)これからの夢は

十勝の廣田農園

お客様と直接つながる農業をめざしていきたいです。また、加工品を増やし、時間や距離を超えて廣田農園から野菜を通してワクワクや感動を遠くまでお届けしていきたいですね」

『美味しい作物を通してワクワクを届ける』。とてもステキなことです。

きっとこれからも、食と新たな繋がり、そして新たな展開を見せてくれるのでしょう。とても楽しみです。

もうひとつのわたし

実は廣田さん、地元のラジオ局で番組を担当し、食と農の魅力を発信するパーソナリティとしての一面も持ち合わせています。さらにローカルワーカーとしても活躍されているなど、活動の幅がどんどん広がっているように感じます。

ここでは、そんな『もう一人の廣田さん』について伺いました。

Q)まずはラジオについてお聞きします。ラジオ番組との出会いは?

十勝の廣田農園

「教員としての経験の中で、学級という社会は一人ひとりの多様な個性や魅力にスポットライトを当て、それをみんなで共有することが大切だと感じていました。そうすることで、注目された子はもちろん、その仲間である学級のみんなも嬉しくなる。元気になる。つまり全員の心の豊かさにつながるということ感じていました。

退職してから、それが大人の社会でも出来たら素敵ではないか。社会はもっと楽しくなるのではないかと。そんな想いが強くなりました。特に仕事ではなく、全く自発的な、自由な一個人としての立場から実践したかった。地域社会で実践することで、コミュニティのような温かい社会ができたらと思っていたところに、地域のFMウィングさんとの出会いがありました」

Q)ラジオを担当して感じたこと、そして伝えたいことは?

「実際に関わらせていただくなかで感じるのは、小さなコミュニティFMを運営するスタッフのみなさんの大変さとありがたさです。

『情報は力』。発信することが当事者に力を与えるように感じています。

住民の活性化とは住民の発信力が高まること』。お世話になっているディレクターの言葉です。

地域の活性化は住民の活性化から。いただいた機会に感謝しながら、精一杯『発信することの魅力』を伝え・シェアすることで、私のように『発信する個人』が増えていけばいいなと思っています。

十勝の廣田農園

そしてラジオとは別に、芽室町の広報誌『すまいる』でも、読者モニターとして町の魅力を取材し、記事を書くという『発信』を行っています」

想いを持ち続け、そして行動することって大切ですよね。そうしていると偶然ではなく、必然的な出会いとうものが生まれると感じます。

これからも廣田さんがラジオを通じ、地域への想いを発信することで、『発信する個人』が増えていくことを願っています。

Q)続いてローカルワークについてもお聞かせください。参加のきっかけは?

「ローカルワーク事業を主催している石塚計画デザイン事務所さん主催のセミナーにてご縁がありまして。かねてより私が十勝の魅力を発信したいという思いをもっていること、そしてラジオで情報発信していることなどから、ローカルなネットワークを活かしてほしいとの依頼をいただきました」

Q)ローカルワークはどのような活動ですか

「北海道への移住を希望している方に、各地の魅力的な仕事を紹介することによって、そのきっかけをつくる事業です」

この出会いも偶然ではなく、きっと必然なものだったのでしょうね。

地域の魅力を発信して、より多くの方に興味をもっていただける。そのきっかけがあるというのはとても大切なことではないでしょうか。

※「ローカルワーク in HOKKAIDO」についてはこちらを御覧ください※

魅力の発信が連携を生む
Q)ローカルワーカーを通じて感じたこと、そして由美さんの希望や目標についてお聞かせください。

十勝の廣田農園

「あらためて、道内には様々な魅力的な企業があること、また、それぞれの個性の強さを感じました。十勝の担当として、できるだけ魅力を伝えたいと思っています。また、他のローカルワーカーのみなさんとお知り合いになり、さらに発信力を高められるよう、連携していけたらと思っています」

おっしゃる通り、北海道、そして十勝には様々な魅力がありますよね。
官民ともに連携して様々な取り組みがあるなかで、ローカルワークが果たす役割はとても大きいと感じます。

地域個々の魅力も大切ですが、点を繋いだ面での働きかけこそ、より北海道全体を盛り上げることにつながりそうですね。

十勝芽室にきて就農して数年。わずかな時間で、十勝がもつ数々の素晴らしさを知った廣田さん。農業への想いもまだまだ上昇中です。

農作物も建築物も、人々の生活に密接不可分なもの。そして、ともに作り手が愛情を注いだ作品のひとつ。

作品を通して人々に魅力を伝え、触れてもらったり感じてもらったりすることがあるという意味では、共通するものも多いのではと感じました。

器がハードなら野菜はソフト。これからの廣田夫妻にも注目ですね。

農園のこと

Facebook: 廣田農園
HP : 北海道、十勝めむろの廣田農園

 この記事を書いた人

by T.
学生時代に釧路を訪れ、釧路に魅了される。現在は、建築士でありながら、釧路の発展のために力を尽くしている。

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