1:はじまり。〜ファインダーからみる道東

〜父から譲り受けたカメラがきっかけで写真の世界にのめり込んでいった。〜
そう語るのは、釧路在住の写真家の藤田光利さん。釧路市を拠点とする運送会社、藤田運輸興業株式会社の代表取締役を務め、写真家としても活動する。今回は、そんな藤田さんにご協力をいただいて、ファインダーからみる道東の美しさについてお話をいただきました。長編となりますので、3部に分けて掲載させていただきます。
カメラを知る前の僕。
会社を父から譲り受けたのもあったし、運送業という仕事柄、深夜遅くまで働き、休日も返上。とにかくいつも仕事ばかりしていた。周りにも常にピリピリしていたり、自分のことを中心に考えていた。会社を担う身として、仕事一本で走り続けていた。
当時は、余裕がなかったと、今振り返るとそう思っている。
突然の出来事が僕にカメラを握らせた
父親からもらった一眼レフ(Canon EOS D60)を車のトランクにいれたままにしていた。カメラにはまったく興味がなかったので、その存在すら忘れていたが、ある日、深夜に運転していると、ふいに道路上に白い影が飛び込んだ。
スピードを落としてよく見ると一羽のエゾフクロウが寝ていた。あまりの可愛さに感動。ちょうどそのとき、トランクにあるカメラのことを思い出し、残り僅かのバッテリーで訳も分からず、ただそのかわいいエゾフクロウの姿を残しておきたい気持ちで無心でシャッターをきった。
後日、現像してみると、その中で数枚だったが、なんとかみられる写真があり、そこから自然や動物、そしてカメラの魅力にのめり込み始めていった。

カメラにハマる事になった実際のフクロウの写真
始めたころは、いいスポットがあると聞くとそこまで走り撮影した。道内はもちろんいろいろな場所まで移動し撮影をしていたが、最近は道東の良さを感じ、ほぼ釧路市周辺で撮影している。
一度、地元を離れて帰ってくると、道東の良さがよりわかるようになった。
父とカメラと僕。
昨年、父は亡くなったが、父とはカメラを持って旅行にでかけ、よく一緒に撮影した。撮影しては、写真のことを語りながら一緒に飲み明かし、良い親子関係を築けた、父には本当に感謝している。
今振り返ると、カメラというものがなかったら親子関係は全く違うものとなっていたような気がする。カメラというものに出会えて親子関係や自分自身の考え方や気づきなどたくさんのことを学ぶきっかけとなった。
次号『2:なぜ撮り続けるのか。』に続く
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▶︎2:なぜ撮り続けるのか。
この記事を書いた人
by Otetu.
釧路市内でシェアスペースを運営。パン教室やさまざまなワークショップなどワクワクのイベントを多数展開する。
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