釧路地域クラウド交流会レポート | 企業と起業と個人が交わる場所 |釧路

地元のことはよく知っているし、ある程度個人でつながりもある。できれば地元に何かしらの形で貢献したい。でも「ある一定のコミュニティ」以上の輪は、地元ではなかなか広がらない。
地元だからこそ起こるジレンマかもしれませんね。
そんなジレンマを解消し、企業も起業家も、そして地元で起こる「何か新しいこと」を探し求める個人も、「ある一定のコミュニティ」から抜け出すことのできるイベントがあります。
それが「地域クラウド交流会」です。
今回は、今全国各地で行われている「地域クラウド交流会」の概要と、5月に北海道釧路市で行われた「第4回地域クラウド交流会」の様子をご紹介します。
地域クラウド交流会とは?
レポートをご紹介する前に、まずは地域クラウド交流会について簡単にご紹介します。
※詳しく知りたい方は「最近話題の『ちいクラ』とは何か、勇気を出して『ちいクラ代表』にいろいろ聞いてみました」を御覧ください。
地域クラウド交流会とは、「kintone」などのグループウェアを販売するサイボウズが開催支援している、新たな地域活性プログラムのひとつです。これまで東京の江東区、愛媛県松山市、大分県など、全国27ヶ所で開催されています。
釧路は全国展開で、第1号の地になります。
交流会は以下3つを柱に構成されています。
- 起業家プレゼン
- プレゼン起業家への応援投票
- クラウド交流会タイム
「起業家プレゼン」では地域でこれから起業しようとしている人、または起業とまではいかないものの、何か新しいことを始めたいと思っている人が、どんなことをしているのか、これからどんなことをしたいのかなどを発表します。
その内容を受け、参加者が「応援したい起業家」へ応援投票を行います。
交流会参加には1,000円がかかりますが、そのうち500円が起業家への応援資金として投票した相手に投資される仕組みとなっています。
投票と同時に行われるのが、参加者間で自由に交流を持てる「クラウド交流会タイム」です。
プレゼンした起業家はもちろん、ほかの参加者とも名刺交換や挨拶などができます。
交流会の最後には投票結果が発表されます。
一般的なプレゼン大会では、1位の人のみが資金を手にすることができますが、地域クラウド交流会では1位以外の人も集めた資金を手にすることができます。
結果、幅広い起業家がチャンスを手にできるというわけです。
その他にも、開催の手助けを行ってくれる「応援し隊」によるPRタイムなどもあります。
普段知り合う機会のない多くの人々と気軽に交流したり、自らの活動をプレゼンしたりといった機会はなかなか巡ってはこないもの。
これが地域クラウド交流会の魅力であり、全国各地で開催が相次いでいる理由のひとつと言えるのではないでしょうか。
第4回釧路地域クラウド交流会の様子
さまざまな魅力を持つ地域クラウド交流会。流れや概要についておさらいが終わったところで、ここからは第4回釧路地域クラウド交流会の様子についてご紹介します。
準備もみんなで…有志による交流会準備
地域クラウド交流会の特徴のひとつは、当日の準備(チラシ封入)も参加者たち自身で行うこと。
事前準備を手伝った場合、全参加者に配られるチラシの中に自社のチラシを入れることができます。
この日は14時の開始に向けて、13時からたくさんの方がチラシ封入の手伝いに駆けつけました。
チラシの準備が終わったところで、ついに入場開始。
来場者が続々と会場にやってきます。
最終的に参加者は167人に。
業種・職種を問わず、これだけ多くの人々が一か所に介する機会はそれほど多くないのではないでしょうか。
みんなで学ぶ「クラウド勉強会」
クラウド交流会の前にはじまったのは、地域や全国各地の創業事例・起業事例を紹介する「クラウド勉強会」。
今回講師を務められたのは、ある転機から夫婦で起業することを選び、現在はWEB・モバイルエンジニアの育成や採用、ラボ型開発コンサルティングに力を入れている、フロイデ株式会社の代表 吉谷愛さん。
ピンチから始まった起業のきっかけから事業内容、起業直後からの思いの変化や現在の目標などを赤裸々に語ってくださいました。
起業5年未満、起業予定者がプレゼンできる「起業家プレゼンタイム」
クラウド勉強会終了後は、今イベントの仕掛け人である株式会社ジョイゾーの四宮琴絵さんから、交流会に関する簡単な説明があり、いよいよ起業家プレゼンタイムがスタート。
今回は5名の方がプレゼンを行いました。
釧路の魅力をパステル和アートで発信したい方
地域に根づいた美術館存続を呼びかける方
HP製作からオリジナルTシャツ作成まで様々な事業を手がけていらっしゃる方…
業種・職種だけでなく背景も違うさまざまな方々が登壇され、ご自身の取り組みや今後の思いなどを熱心にアピールしていました。
写真を撮る方、メモを取る方、ドキドキしながらプレゼンの成功を願う方…
いずれもプレゼン担当者に向けられているのは、あたたかな眼差しでした。
企業×起業×個人が交わる クラウド交流会タイム
プレゼンタイムが終わったあとは、参加者による応募投票、そして交流タイムが始まります。
投票の基準はとても簡単。
「誰を一番応援したいか」です。
いずれも素晴らしいプレゼン内容、そして事業内容だったということもあり、悩み抜いて投票所を訪れる方が多いのが印象的でした。
投票と同時に行われるのが、このイベントの目玉のひとつともいえる「クラウド交流会」です。
交流したいなと思った人と名刺交換をしたり、他愛のない話をしたり。
ここで新たなビジネスの話が生まれたり、取引先がみつかることもあるとかないとか。
子連れでお越しの方の姿も多く見られました。
子どもがいても気軽に参加できるのが、地域クラウド交流会のうれしいポイント。
騒いでもいいんです、だってみんな楽しく騒いでますから。
会場を見回してみると、市長である蝦名氏の姿も。
官民一体となって地元を盛り上げるためのイベント。
そんな言葉が頭に浮かびました。
また会場には名刺を貼って自らの事業をアピールするコーナーも。
写真を撮っておけば、その時交流できなくてもあとで連絡を取ることができます。
皆さん熱心にチェックしていました。
ちょっとアピール「応援し隊」
クラウド交流会後は、イベントを積極的に手伝ってくれた「応援し隊」によるPRタイムの始まりです。
応援し隊は開場前のチラシ封入だけでなく、交流会の際に積極的に声を掛けて、参加者同士の縁をつなぐ役割も担っています。
2分のPRタイムでは、起業プレゼンタイムに負けない熱心なアピールが行われていました。
投票結果発表!結果は果たして…
応援し隊のPRタイム終了後は、いよいよ起業プレゼンタイムの投票結果が発表されます。
投票の結果は…
バスガイドもできるボールペン画家 原田さんが最も多い投票数を獲得!
1位の方には票数×500円の商品券に、kintone1年間無料使用権が授与されます。
1位となった原田さんはもちろん、皆さんすてきなプレゼンでした。
なによりも、「何かを始めたい」「何かを届けたい」と思っている人が、釧路にこんなに沢山いらっしゃること。
それが何よりも素敵だなと思いました。
地域クラウド交流会を終えて
性別はもちろん業種も職種も役職もなく、「気になるから」「話をしてみたいから」という理由だけで気軽に誰とでも話ができる空間。
意外と日本になかなかないと思うんです。
それが地域クラウド交流会のいいところではないでしょうか。
そしてもうひとつ、このイベントで実感したことがあります。
それは「釧路を盛り上げたい」という人がたくさんいらっしゃるということ。
盛り上げたいと思う気持ちはあっても、一人ではできないことも多いもの。
でもひとりひとりの力が結集し、大きな流れになれば、地域を大きく盛り上げるうねりを作り上げることも、決して不可能ではないと思います。
釧路には「人」がいる。
何物にも代えがたい財産をこの目で確かめることができ、自分も何か始めようと思う。
そんな力が地域クラウド交流会にはあるのだなと感じた一日でした。
あなたの地域の「クラウド交流会」を探してみませんか?
全国各地の地域クラウド交流会情報は以下よりチェックできます。気になる方は是非チェックしてみては?
6/24(土)釧路で地域クラウド交流会が開催されます!
詳しい情報は以下よりご確認ください。
この記事を書いた人
by こちゆう.
奈良県生まれ、北海道釧路市在住。くしろはてな編集長、ライティング集団「UZUZ編集部」副編集長。WEB上でノウハウ記事の作成や取材、キャッチコピーやシナリオライティング、パンフレット文章の作成などを行う。ライター業以外にも、釧路市でライティング講座やビジネス文章作成講座、リモートワークの普及に努める。
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